<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<feed xml:lang="ja" xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:thr="http://purl.org/syndication/thread/1.0">
  <title type="text">Flour Party</title>
  <subtitle type="html">創作小説を載せています</subtitle>
  <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://kasaya.tosalog.com/atom"/>
  <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/"/>
  <updated>2015-08-02T01:01:05+09:00</updated>
  <author><name>傘屋</name></author>
  <generator uri="//www.ninja.co.jp/blog/" version="0.9">忍者ブログ</generator>
  <atom10:link xmlns:atom10="http://www.w3.org/2005/Atom" rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com/" />
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/50</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%94%E8%A9%B1%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%A0%E5%B8%B0%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D" />
    <published>2017-04-28T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-04-28T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十五話「まだ帰れない」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「まだ帰らない！？　何バカなこと言ってるんですか！　今すぐにでも出ましょうよこんな島。危険ですって」<br />
ベラさんが上目づかいで私を睨んだ。その眼力にひるんだ私は思わず目をそらした。そして、ちょうど視界に入った女の子を指さしてまくし立てた。<br />
「この子なんて特に危険ですよ！　ベラさんは聞いてなかったでしょうけれど、この子は魔力を蓄えているんですよ！　それはきっともうめちゃくちゃいっぱいにですよ！　魔力を"奪う"んじゃなく"蓄えている"んですよ。めちゃくちゃ危険じゃないですか。幸い今なら魔女は伸びてますし、この子も攻撃してこなさそうですので、逃げるなら今です！　すぐ出ましょう。今出ましょう。早くこんな島出ましょうよ、ベラさん！」<br />
ベラさんは小さくため息をついてそっと女の子の頭を撫でた。私はハッと息を飲む。<br />
「ベラさん、何して&hellip;&hellip;」<br />
「大きくなったな、ウェンディ。外は楽しいか？」<br />
「うん！　でもお姉さんだぁれ？」<br />
「&hellip;&hellip;知らなくていいことさ」<br />
女の子は首を傾げた。アルさんがベラの知り合い？　と訊き、私は一人オロオロとしていた。すると不意にベラさんが女の子を抱えて飛び上がった。<br />
「まだ帰れないんだよ。やることがある」<br />
そう言って天井を仰いだ。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/49</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%A0%E5%B8%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D" />
    <published>2017-04-21T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-04-21T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十四話「まだ帰らない」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[僕は落ちてくる岩を必死に避けて近くの家の中に避難した。大きな音か、いきなり現れた僕に驚いたのか、リビングにいた女の人は唖然としていた。その足元にはお皿が数枚割れて落ちている。僕はすいませんと軽く会釈した。そして、砂煙が収まったのを確認して窓からそっと外を見た。ベラが赤い髪をなびかせてあたりをキョロキョロと見まわしている。その足元には丁寧に正座したアクアと、アクアに下敷きにされた能面の人がいた。その横には同じように伸びている女の人と、無邪気に笑う女の子もいる。女の子は上から落ちてきたわけではないのか、いたって元気に女の人の頭を叩いている。起こそうとしているのかもしれないけれと、僕は心の中で痛そう&hellip;&hellip;と呟いた。<br />
「おーい、アル？　いないのかー？」<br />
ベラが僕を呼んでいる。全然必死に探している風に聞こえないその声音に僕は少し肩を落として、ここにいるよと小さな声で答えた。ベラが僕を見つけて少しだけ口元を緩ませる。次いで僕を見つけたアクアが家の中に入ってくる。<br />
「アルさん！　無事でしたか？　早くこんな島出ましょう。ここは危険です。この人たちは魔女だったんですよ！　あの女の子も魔力を蓄えるとかわけのわからないことしてますし！」<br />
アクアはまくしたてながら僕の腕を引っ張った。<br />
「いたたた、痛い痛い！」<br />
「あ、ごめんなさい」<br />
アクアはハッとして手を放した。広場で、能面の人に腰かけたベラと女の子が何か話している。近くまで来てやっとその声が聞こえた。<br />
「&hellip;&hellip;いいや、まだ帰らねぇよ」]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/48</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%B8%89%E8%A9%B1%E3%80%8C%E7%B4%85%E3%81%84%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%80%8D" />
    <published>2017-04-14T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-04-14T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十三話「紅い天使」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[いくら助けてと願ってもベラは来てくれない。僕がこんな目にあってるなんて彼女が知るはずもないから、当然と言えば当然だけれど&hellip;&hellip;。<br />
なぜだか少し寂しく思った。<br />
「笑え、青年」<br />
「&hellip;&hellip;い、いやだ！」<br />
僕は能面の人を突き飛ばして駆け出した。ほとんど同じ景色の路地を右に左に曲がり逃げる。何度目かの角を曲がってそっと後ろを見てみた。真後ろにも、曲がり角の向こうにもあの人の姿は見えない。僕はホッと息を吐いた。そして、ここはどこだろうと周りを見回して息を飲んだ。<br />
そこは元いた広場だった。少し離れたベンチに能面の人が座っている。僕はすぐに回れ右をした。<br />
「追いかけっこは嫌いなんだよ」<br />
すぐ後ろで声がして、手首を強く掴まれる。僕は悲鳴を上げて暴れた。能面の人が何かを言った気がしたがそんなの関係ない。ただひたすらに、この人から逃げることだけを考えていた。<br />
その時、いきなり大きな音がして天井が崩れた。広場にいた人も全員天井を仰ぐ。<br />
崩れ落ちてくる岩と砂煙の隙間で、紅い天使が舞っていた。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/47</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%BA%8C%E8%A9%B1%E3%80%8C%E8%81%9E%E3%81%93%E3%81%88%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%82%88%E3%80%8D" />
    <published>2017-03-17T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-03-17T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十二話「聞こえてるよ」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">飴を舐めながら無邪気に笑う女の子はまだ可愛げがある。けれど、その頭を撫でながら笑う魔女は不気味そのものだ。私は音を立てないように後ずさりした。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">だいたい、魔力を蓄えるとは一体どういうことなのか。魔力は生まれたときからその絶対量は決まっている。他人のを吸い取って自分の魔力に変換するという能力もあるらしいけれど、それは一時的なもので、決して蓄えるという表現はしない。なら、今目の前で行われているのは一体&hellip;&hellip;？</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">考え事をしながら後退していたら、大きな木の根につまずいて派手に後ろに倒れ込んでしまった。その音で魔女に気付かれてしまう。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「あら、逃げようとしたの？　無駄なことを。第一、この場から逃げ出せたとして、どうやってこの島から出るつもりなのかしら？　あなたたちが乗ってきた船はもう粉々よ。それに、大切なお友達を見捨てて一人逃げるだなんて、なんて薄情な子なのかしら」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">口を歪めて魔女が笑う。私は金縛りにあったかのようにピクリとも動けない。真っ白な霧が辺りを包み込んで、私の視界はゼロになる。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「かわいそうな子。お友達も助けられずに、森の中で人知れず死んじゃうのね。ああ、かわいそうかわいそう」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">魔女の笑い声がすぐ近くで聞こえる。きっと私はあのナイフで切り刻まれて死んでしまうんだろう。嫌だ、こんなところで&hellip;&hellip;</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「助けて。誰か、助けて！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「&hellip;&hellip;うるさいなぁ、聞こえてるよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">空を仰ぐと、霧の隙間に燻った赤色が見えた。</span></p>
<span style="font-size: medium;" size="3"></span>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/46</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E4%B8%80%E8%A9%B1%E3%80%8C%E9%A3%B4%E7%8E%89%E3%80%8D" />
    <published>2017-02-17T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-02-17T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十一話「飴玉」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">銀色のナイフが光って、振り下ろされたそれは腕の隙間から心臓に突き刺さり、真っ赤な血がどばーっと&hellip;&hellip;なんてグロテスクな展開にはならなかった。なかなか来ない刺激に恐る恐る目を開けると、あの女の子が魔女の腕に絡みついていた。目の前でナイフの刃先がきらりと光って、私は悲鳴を上げながら飛び退く。今すぐ逃げたいのに、腰が抜けて立ち上がれない。女の子は駄々を捏ねる様に魔女の腕を揺さぶった。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「ちょっとウインド、邪魔しちゃだめよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「やだやだー！　お姉ちゃんちょうだいよー。今！　今欲しいのー！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「もう、しょうがないなぁ。フラッシュには内緒よ？　本当はもっと間隔を開けないといけないんだからね」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「わーい！　ファグお姉ちゃん大好きー」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">今なら逃げられる。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">魔女が女の子に気を取られている内にそっと後ずさりをした。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「ほら口開けて。はい、あーん」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「あーーーん」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">　女の子はいかにも甘そうなピンク色の飴を頬張った。満面の笑みでほっぺを押さえている。魔女は女の子の頭を撫でながら優しく笑う。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「もっと強くなるのよ。もっともっと魔力を蓄えて、大きくなるのよ」</span></p>
<span style="font-size: medium;" size="3"></span>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/45</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%8D%81%E8%A9%B1%E3%80%8C%E7%A7%81%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A0%E3%81%AA%E3%81%81%E2%80%A6%E2%80%A6%E3%80%8D" />
    <published>2017-02-10T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-02-10T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第三十話「私死んだなぁ……」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「&ldquo;水鉄砲&rdquo;！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">私は指を銃の形に構える。掛け声と共に、指先に溜まった水泡が勢いよく飛んでいく。しかし、真っ白な視界の向こうで、木が砕ける乾いた音しかしない。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「どこを狙っているのです？　私はこちらですよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">後ろから魔女の笑い声が聞こえる。私は振り返りざまに、声のした方へ数発お見舞いする。また乾いた音が響いた。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「アハハ、お姉ちゃんヘッタクソぉ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">あの女の子の笑い声も響く。霧に視界を奪われ、もう伸ばした自分の腕さえ見えない。真っ赤な炎が脳裏をよぎって、小さく舌打ちをした。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「あらあらお嬢さん、もう終わり？　張り合いがありませんねぇ。ベラ様のお付きの方なら、もっと魔力を使いこなせてもいいでしょうに」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「お姉ちゃん、もっと遊んでよ。魔力使えるんでしょ？　もっとおっきい技出してよ！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">呆れたような声と無邪気な声があっちこっちから聞こえて、頭の中でぐわんぐわんと反響する。思わず耳を塞いでうずくまった。ギュッと目をつぶって、首を左右に激しく振る。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">冷たい霧が体に纏わりついて気持ち悪い。汗なのか水滴なのか分からないものが体中を伝う。不意に右手を掴まれた。私は思わず目を開ける。視界いっぱいに魔女の顔が広がっていて、甲高い悲鳴が空気を震わせた。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">魔女の後ろで鈍く光る銀色の何かが見えた。私に向かって振り下ろされるそれを凝視しながら、ああ私死んだなぁ&hellip;&hellip;なんてのんびりと思った。</span></p>
<span style="font-size: medium;" size="3"></span>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/44</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%B9%9D%E8%A9%B1%E3%80%8C%E3%81%8A%E5%A7%89%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%80%8D" />
    <published>2017-02-03T18:00:00+09:00</published> 
    <updated>2017-02-03T18:00:00+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第二十九話「お姉ちゃん」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「お姉ちゃん、こっちこっち」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「ちょっと待って。引っ張んないでよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">青い髪のお姉ちゃんは腕を大きく振って、私の手を振りほどいた。私はムスッとして振り返った。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「なによ、遊んでくれるって言ったじゃん」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「言ってない言ってない！　一っ言も言ってない！　あなたが勝手にそう思ってるだけでしょ。こんなところまで連れて来て&hellip;&hellip;腕痛かったんだからね。どこよここ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">お姉ちゃんは腕をさすりながら周りを見回す。でも周りは木ばかりで、ため息をつきながら私の後ろを見た。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">そこにはお城の入り口のおっきな扉がある。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「お姉ちゃん、お外で遊びたいの？　でも中の方が明るいよ？」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「あなた、ここに住んでるの？　王族か何か？」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「おうぞく&hellip;&hellip;？　わかんない！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">笑って答えるとお姉ちゃんはまたため息をついた。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「ため息ついたらシアワセがにげちゃうんだよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「うるさい！　関係ないわよ！　だいたい、あなたがいけないんでしょ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「えー、なんでー？」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">首をかしげながらきくと、お姉ちゃんは頭をクシャクシャとかき混ぜて、知らないわよ！　と怒鳴った。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「うるさいのはお前だよ」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">不意にお姉ちゃんの後ろから声がした。うっすらと霧が出てくる。</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">「あ！　お姉ちゃん、おかえりー！」</span></p>
<p style="margin: 0px;"><span style="margin: 0px; font-family: 'ＭＳ 明朝',serif;">私はファグお姉ちゃんに手を振った。</span></p>
<span style="font-size: medium;" size="3"></span>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/43</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AB%E8%A9%B1%E3%80%8C%E7%AC%91%E3%81%86%E8%88%AC%E8%8B%A5%E3%80%8D" />
    <published>2016-12-11T23:10:50+09:00</published> 
    <updated>2016-12-11T23:10:50+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第二十八話「笑う般若」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[僕は大勢の人に町中を連れ回され、くたくたになって広場のベンチに腰かけていた。思わずため息が漏れる。最初こそ二十人以上もの人が僕の周りを囲っていたが、今はもう誰もいない。まるで僕に飽きてしまったかのように見向きもしなかった。<br />
「ベラ&hellip;&hellip;大丈夫かな？　アクアさんも心配だなぁ」<br />
「それがあんたのお友達の名前？」<br />
「わっ！」<br />
急に話しかけられ飛び上がった。目の前にあのお面の人が立っている。口元に手を持っていっているから、おそらく笑っているのだろう。僕は少し頬を膨らませた。<br />
「何だ青年。気を悪くしたのなら謝ろうか？　だが、そんなもの必要ないだろ？　怒るな怒るな。笑えよ、青年」<br />
「いいです、笑いたくありません。僕、帰りたいんです。出口はどこですか？」<br />
「何で帰りたいんだ？　ここは人の創造する理想郷なんだぞ？　ここにいれば誰もが笑っていられる。ホラ、見ろよ周りを。悲しんでいる奴がいるか？」<br />
僕は広場にいる人々の顔を流すように見て、首を左右に振った。<br />
「じゃあ、苦しんでいる奴は？　憂いている奴は？」<br />
首を横に振ることしかできない。<br />
「無表情の奴は？　いないだろ？　なぜなら、ここが桃源郷だからだ！　すべての人が笑っている。これが人間の理想だ！　私たちはそれを実現できている！　お前もただ笑っていられるというのに、なぜ帰りたがるんだ？　何が気に入らない？」<br />
僕は俯いて唇を強く噛む。何だかよくわからないけれど、この人がすごく怖い。汗が垂れてきた<br />
「ホラ、言ってみろ青年。ここはそうして日々進化しているのだ」<br />
笑った般若の顔が近づく。<br />
怖い。怖い。怖い。怖いよ、ベラ&hellip;&hellip;僕を助けて。]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/41</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%B8%83%E8%A9%B1%E3%80%8C%E5%8A%A9%E3%81%91%E3%80%8D" />
    <published>2016-10-30T21:51:18+09:00</published> 
    <updated>2016-10-30T21:51:18+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第二十七話「助け」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p>ボクは島から少し離れた海上を、ずっと回りながら飛んでいた。考え事をするといつもグルグルと回ってしまう。前に変なクセだと笑われたなぁ、とぼんやりと思った。と同時にアルのことも考える。<br />
「助けるべきか、助けないべきか&hellip;&hellip;でもなぁ、ボクと関わったらロクな目に合わないし、かと言ってここで見捨てて、死んじまったりしないよな？　この島は初めてだから分からんぞ。アイツと会ったのも久しぶりだし&hellip;&hellip;あーもう！　一体どうした方がいいんだよぉ！」<br />
イライラして水面をバシャバシャと叩いた。<br />
――いい？　困ってる人がいたら助けてあげるのよ。善い行いをするの。そしたら、人は自然とついてきてくれるわ。味方を、仲間をたくさん持って。もしも自分が困ったら、その人たちが必ず助けてくれるから――<br />
「お母様&hellip;&hellip;ボクは助けてほしくなんかありません。仲間なんかいりません。ボクは&hellip;&hellip;ボクは&hellip;&hellip;」<br />
――独りでいいんです。<br />
自分に言い聞かせるように小さくつぶやいた。目の奥がじんわりと熱くなる。でも涙はこぼれない。ボクはまた水面を叩いた。<br />
「知らない！　知らない！　困ってるヤツなんか、アルなんかボクは知らない！　あんなヤツ知るもんか！　ボクには関係ない！」<br />
飛び跳ねた水しぶきが顔や髪を濡らす。いつの間にかフードがとれていた。赤い髪が風になびく。忌々しくて愛おしい赤い髪。<br />
もう一度強く水面を叩いた。</p>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>kasaya.tosalog.com://entry/40</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://kasaya.tosalog.com/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%20%20%E5%B0%8F%E8%AA%AC/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%80%80%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AD%E8%A9%B1%E3%80%8C%E3%81%A0%E3%81%81%E3%82%8C%EF%BC%9F%E3%80%8D" />
    <published>2016-10-09T21:30:18+09:00</published> 
    <updated>2016-10-09T21:30:18+09:00</updated> 
    <category term="パンドラの箱  小説" label="パンドラの箱  小説" />
    <title>パンドラの箱　第二十六話「だぁれ？」</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<div>じゃあな、と手を振ってベラさんは飛び去った。私ははぁとため息をつく。視界の端でのびている魔女を見たら、もう一つため息がこぼれた。自分の無力さが悔しい。<br />
「&hellip;&hellip;とりあえずこのままでも大丈夫？」<br />
誰に確認するでもなく呟いた。<br />
「アルさんどこだろ。この角を曲がったはずだけど&hellip;&hellip;」<br />
アルさんが曲がったはずの角を曲がってみても、薄暗い道が続くだけで、先は闇に呑まれて分からない。とりあえず進んでみることにした。<br />
三十分くらい歩いて、私は長いため息をついた。あっちの角を曲がってみたりこっちの角をまがってみたり、行き止まりもかなりあったが、結局どこにもたどり着けなかった。道の真ん中にペタンと座り込んだ。ボーっと空を仰ぐ。どんよりと重い雲が余計に私の気持ちを沈ませる。何度目かのため息が出た。<br />
「アルさんどこ？」<br />
なんて弱弱しい声よと自分にぼやく。<br />
何が人魚族。何が世界最強の戦闘民族だ。私はこんなに弱いじゃないか。<br />
次第に頭が垂れる。ポタリと涙が落ちた。茶色いレンガの道に黒い跡を作っていく。<br />
「あーもう！　私ってば情けない！」<br />
涙を拭って、渇を入れる様に頬を叩いた。スクッと立ち上がり、顔を上げた。<br />
「ウジウジなんてしてらんないよ私！　アルさんを助けないと！」<br />
自分に言い聞かせるようにわざと大きな声で言った。当てもなく歩き出す。<br />
「ねぇ、あなただぁれ？」<br />
突然後ろから聞こえた声に、私は思わず悲鳴を上げた。</div>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>傘屋</name>
        </author>
  </entry>
</feed>