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Flour Party

創作小説を載せています

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僕は大勢の人に町中を連れ回され、くたくたになって広場のベンチに腰かけていた。思わずため息が漏れる。最初こそ二十人以上もの人が僕の周りを囲っていたが、今はもう誰もいない。まるで僕に飽きてしまったかのように見向きもしなかった。
「ベラ……大丈夫かな? アクアさんも心配だなぁ」
「それがあんたのお友達の名前?」
「わっ!」
急に話しかけられ飛び上がった。目の前にあのお面の人が立っている。口元に手を持っていっているから、おそらく笑っているのだろう。僕は少し頬を膨らませた。
「何だ青年。気を悪くしたのなら謝ろうか? だが、そんなもの必要ないだろ? 怒るな怒るな。笑えよ、青年」
「いいです、笑いたくありません。僕、帰りたいんです。出口はどこですか?」
「何で帰りたいんだ? ここは人の創造する理想郷なんだぞ? ここにいれば誰もが笑っていられる。ホラ、見ろよ周りを。悲しんでいる奴がいるか?」
僕は広場にいる人々の顔を流すように見て、首を左右に振った。
「じゃあ、苦しんでいる奴は? 憂いている奴は?」
首を横に振ることしかできない。
「無表情の奴は? いないだろ? なぜなら、ここが桃源郷だからだ! すべての人が笑っている。これが人間の理想だ! 私たちはそれを実現できている! お前もただ笑っていられるというのに、なぜ帰りたがるんだ? 何が気に入らない?」
僕は俯いて唇を強く噛む。何だかよくわからないけれど、この人がすごく怖い。汗が垂れてきた
「ホラ、言ってみろ青年。ここはそうして日々進化しているのだ」
笑った般若の顔が近づく。
怖い。怖い。怖い。怖いよ、ベラ……僕を助けて。

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パンドラの箱 第二十九話「お姉ちゃん」 HOME パンドラの箱 第二十七話「助け」

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