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Flour Party

創作小説を載せています

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じゃあな、と手を振ってベラさんは飛び去った。私ははぁとため息をつく。視界の端でのびている魔女を見たら、もう一つため息がこぼれた。自分の無力さが悔しい。
「……とりあえずこのままでも大丈夫?」
誰に確認するでもなく呟いた。
「アルさんどこだろ。この角を曲がったはずだけど……」
アルさんが曲がったはずの角を曲がってみても、薄暗い道が続くだけで、先は闇に呑まれて分からない。とりあえず進んでみることにした。
三十分くらい歩いて、私は長いため息をついた。あっちの角を曲がってみたりこっちの角をまがってみたり、行き止まりもかなりあったが、結局どこにもたどり着けなかった。道の真ん中にペタンと座り込んだ。ボーっと空を仰ぐ。どんよりと重い雲が余計に私の気持ちを沈ませる。何度目かのため息が出た。
「アルさんどこ?」
なんて弱弱しい声よと自分にぼやく。
何が人魚族。何が世界最強の戦闘民族だ。私はこんなに弱いじゃないか。
次第に頭が垂れる。ポタリと涙が落ちた。茶色いレンガの道に黒い跡を作っていく。
「あーもう! 私ってば情けない!」
涙を拭って、渇を入れる様に頬を叩いた。スクッと立ち上がり、顔を上げた。
「ウジウジなんてしてらんないよ私! アルさんを助けないと!」
自分に言い聞かせるようにわざと大きな声で言った。当てもなく歩き出す。
「ねぇ、あなただぁれ?」
突然後ろから聞こえた声に、私は思わず悲鳴を上げた。

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