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Flour Party

創作小説を載せています

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ベラさんがため息をついて右手を突き出す。その手の平から炎が噴き出した。私が驚きに目を見開いていると、その炎はたちまちベラさんの右腕を包み込んだ。いや、包み込んだと言うより、腕が炎に変わったと言う方が適格だった。

「そ、それ、なんですか!?」

「はあ? お前何言ってるんだ? ボクの魔力は“(フレイム)ぞ」

「で、でも、体が炎に変わるだなんて……」

そんな魔力の使い方は聞いたことがない。随一の戦闘民族の私でも。

ベラさんは私の言いたいことが分かって、深くため息をついた。

「知らないのか、お前も。ちょうどいい機会だ。よーく見とけ。魔力はこんな使い方もできるんだぜ!」

そう言って、ベラさんは炎と化した右腕を振り上げた。そして、とても楽しそうに笑いながら、勢いよく振り下ろした。

「“大炎回(カロゼッロ)

肩から下が炎になって、回転しながら下へ伸びていく。凄まじい火力だ。顔に当たる熱風で火傷しそうだった。私はベラさんの服をしっかりと握って落ちないようにしながら、心の中で感服していた。

腕を炎の燃料にして、少ない魔力で恐ろしいほどの火力を作り出している。今まで私は、この身に宿る膨大な魔力に頼って、ただただ大きな技を繰り出すことしかしなかった。ベラさんとは正反対の戦い方で、ただの魔力の無駄遣いだと思い知らされた。

炎によって霧が完全に消えても、私はベラさんの顔を見れなかった。

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パンドラの箱 第二十三話「けんか」 HOME パンドラの箱 第二十一話「霧の正体」

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