Flour Party
創作小説を載せています
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霧が晴れると、地面にあの女が倒れていた。うつぶせになったままピクリとも動かない。当然と言やぁ、当然だ。いくら加減したとはいえ、あの炎に耐えられるほどこいつは強くない。
ボクは得意気に鼻を鳴らしながらゆっくりと降りた。
「す、すごいですベラさん」
「フンッ! この程度で感心しているようじゃあ、まだまだガキだな」
「またその話を! どう見たって私の方が年上じゃないですか!」
ボクはムカついて、言い返したアクアの胸ぐらをつかんだ。
「あのなぁ! 背の高さで物を言うんじゃねぇ! ボクは成長しないんだよ!」
「……ちび」
「はああああああ!?」
完全にキレた。もう知るかこんなやつ。
ボクはいつまでも捕まっているアクアを振り落した。幸い地面が近かったから、アクアは尻を打っただけだった。
「ちょっと、何するんですか!」
「ハッ! 知るかよボケ。もう勝手にしな。ボクは二度と手は貸さん」
そっぽを向いて飛び上がったボクをアクアが引き留めようとする。
「ちょ、ベラさん! アルさんはどうするんですか? それに町の人たちだって。助けに行かないと!」
「だから勝手にしろと言ったんだ。アルでも人間でも、お前が一人で助けな!」
「協力してくれないんですか!?」
「はぁ? ボクが、いつ、お前とそんな仲になったってんだ。アルも同じさ。ボクがわざわざ助けに行く理由なんかないね!」
ベーと舌を出すと、アクアは顔を真っ赤にして地団太を踏んだ。
「人でなし!」
「ザーンネン。あいにくボクは人じゃない。じゃあな」
アクアを残したまま、ボクは島を飛び去った。