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Flour Party

創作小説を載せています

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島を離れてしばらくすると、あの分厚い雲が見えてきた。朝日が昇ったばかりなのに、あっという間に夜の様に暗くなった。海岸にあの小船が停留しているのが見えてくる。誰も乗っていないようだ。

「先に島に入ったか……」

誰に言うともなくつぶやいた。少し行くと小さな町があった。なぜかシンと静まり返っている。

「変だな? なんでこんなに人がいないんだ?」

しばらく飛び回っていると、道の真ん中で座り込んでいるアクアを見つけた。おーい! と大きな声で呼びかける。アクアがゆっくりと顔を上げた。

「ど、どうしたんだ!?」

アクアは泣いていた。ボクを見て、途切れ途切れになりながらも、ごめんなさいごめんなさい! と繰り返した。

「謝ってばっかじゃわかんないよ。一体何があったんだ? アルは一緒じゃないのか?」

「ごめんなさい! アルさんが悪魔に食べられちゃった!」

「はぁー!?」

ボクは大声で言った。ついついため息がもれる。

「食べられるところでも見たのか?」

「い、いや……」

「悪魔の姿は?」

アクアは静かに首を横に振った。

「ま、だろうな。悪魔族は別に、人間を取って食うような凶暴なヤツじゃない。きっと何かの間違いさ」

「間違いなんかじゃないよ!」

どこからか現れた小僧が叫んだ。この島の人だろうか。子供はなぜか必死に泣き叫んだ。

「みんな霧に飲み込まれて消えちゃったんだ! 僕のお父さんもお母さんも、島で一番強いお兄ちゃんだって!」

ボクは大きなため息を一つ吐いた。

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一瞬で永遠の時 HOME パンドラの箱 第十七話「“蜃気楼”」

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