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Flour Party

創作小説を載せています

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    結局朝食の時間には間に合わず、奥様の大目玉を食らった僕は、今日一日何でも言うことを聞くという条件で許してもらえた。僕はいつも使用人の中でもよく命令されるから、特に変わった風にはならなかったことは幸いだと思う。
日が傾き始めた頃、奥様が大きな声で僕を呼んだ。かなり慌てた声に少しおびえながら、僕は奥様の前に跪いた。
「お呼びでしょうか」
   すると奥様は、大広間の階段の上から僕を指差し、大きな声で言った。
「パンが食べたいわ! 今まで食べたことがない、甘くておいしいパンよ。今日の夕食はそれに変更よ!」
    僕は心の中で大きなため息を吐きながら、いつものわがままに黙って従う。すぐに山を下りた。
急いだものの、街に着いた頃にはすっかり日が暮れてしまい、ほとんどの店は閉まっていた。パン屋どころか飲み屋程度しか開いていない。見つかる訳ないとぼやきながらも、奥様の命には逆らえないので、僕は行くあてもなく夜の街をうろついた。
   ふと時計台を見上げたときには、すでに夕食の時間を一時間以上も過ぎていた。カンカンに怒っている奥様を想像して身震いする。パンは諦めてもらって、すぐにでも大好きなグラタンを作って差し上げよう。僕はくるりと踵を返し、来た道を屋敷へ向かって走り出した。
    山の麓の屋敷へ続く階段の前で立ち止まり、荒くなった呼吸を整える。階段のてっぺんを見上げて僕はおかしなことに気付いた。いつもなら頂上に屋敷の明かりがぼんやりと見えるはずなのに、今は真っ暗で何も見えない。ふてくされて寝てしまったのだろうか。ならば、なおさら早く帰って謝らなければ。階段に足をかけたとき、不意に後ろから肩に手が置かれた。臆病な性格の僕は大きく肩を震わせ、ビクビクしながらもゆっくりと振り返った。

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   僕はいつも通り、まだ空が暗いうちに目覚めた。寝床の藁を整え、キッチンに出る。勝手に電気はつけられないから、テーブルに置いたランプの明かりだけで床を掃いた。ついでに水回りもきれいにする。あらかたきれいになると、買い物用のカゴとボロ財布を片手に外へ出た。
    市場まではかなりの距離があり、歩いていくと、着く頃にはたいへんな賑わいを見せていた。僕は立ち並ぶ品々を丁寧に、しかし早足で歩きながら見比べていく。真っ赤なリンゴは手に取り蜜を調べ、尻のにおいを嗅ぐ。きらびやかなペンダントなどは、奥様に似合うだろうなとは思いつつも、センスがない僕は立ち止まって眺めたりなんてしない。朝の市場で買っていいのは食べ物だけ。実際、それ以上のものを買うお金は持たされていない。
   必要なものを全て買い終わるとすぐに市場から離れた。人通りの少ない道を、カゴをあまり揺らさないようにしながら全力で走る。今日は目当ての食材がなかなか見つからなかったから、全力で走っても朝食の時間に間に合わないかもしれない。流れる汗も気にせず、ただひたすらに足を動かした。慣れた道で前を見ていなかったせいもあって、角を曲がったときに歩いてきた人とぶつかった。せっかく買ったリンゴが一個、宙を舞う。それを相手の人がキャッチしてくれた。素早く立ち上がりリンゴを受け取る。
「すみません。ありがとうございます」
   そう言って頭を下げるとすぐにまた駆け出した。
「・・・アル」
   名前を呼ばれた気がして、足を止めずに目だけで後ろを見た。そこには誰もいなかった。

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    今よりはるか昔、ある国に一人の女神がいた。神は強く、美しく、そして何より人望が厚かった。神は、その大いなる力で魔物を退け、計り知れない数の人間を救った。しかし、突如現れた魔王の力により、神はみるみる衰弱していった。自らの死と魔王による支配を予見した神は、死の間際に己の力をその国の人間たちに分け与え、一つの予言を残した。
    いずれ、女神の力を色濃く受け継いだ者たちが現れ、再び人々に平和と安息をもたらす、と。
    その数百年後、「パンドラの箱」という何でも願いを叶えると言われる箱を巡って、神族と魔族との戦争が勃発した。百年に及ぶその戦いは、魔王が箱を手に入れたことで終焉を迎えた。禁断の箱を開けてしまった魔王は姿を消し、海の大部分が霧に包まれ何人も帰って来られない死の海に変わった。今も、その霧の中にパンドラの箱は眠ると言われている。
   そして、神が予見した通り、二代目魔王により全世界がその支配下に置かれた。神族は大量に虐殺され、人間を始めとする全ての民族は、日々魔族に怯える生活を強いられた。
   二代目魔王が現役を離れ勢力が三代目に移行された十年後、三代目は突然の死を迎える。三代目の死により魔族の統制が乱れ、魔王政府の支配力が著しく低下した。これを機に、各地で魔族に対抗する勢力が強くなった。
   これは、そんな乱世の数奇な運命に翻弄される一人の男の物語・・・

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部活で書いた、星座を基にした小説です
(人によってはグロテスクと感じるかもしれない表現があります。ご了承ください)


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部活で書いた、モノ目線の短編小説


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