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Flour Party

創作小説を載せています

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ボクらは長い間黙っていたが、ふと、アルが思い出したかのように言った。
「アクアさん、この船はどこに向かっているんです?」
「さあ?」
    アクアはオールを漕ぎながら、笑顔でしれっと言った。アルは驚くのも疲れたのか、大きなため息をするだけだった。初めて海に出たと大はしゃぎしていたアルも、どこまでも変わらない海の景色に飽きたのか、今はボーっとした顔で空を見上げている。ボクも同じように空を見た。姿を次々に変えながら、真っ白な雲がゆっくりと流れていく。聞こえるのは、小さな波の音とオールを漕ぐ音だけ。時間が静かに流れていく。
   不意に分厚い雲が空を覆ってしまい、一気に辺りが暗くなった。アルがギュッとボクのマントをつかむ。急にオールを漕ぐ音が聞こえなくなり、ボクは目だけでアクアを見た。アクアはオールから手を離してボクを指さしていた。
「すっごく今更ですけど、お二人の来ている服、ずいぶんと変わってますね」
   ボクはしがみついて離れないアルを見た。アルは、いかにも使用人のような服を着ている。ボクは、下にちゃんとした服を着ているものの、マントで隠しているから、アルと変わらないくらい変だろう。マントを少しめくって、その赤い服を見せた。
「島に着いたら、アルの服を買おう」
   ボクはそう言った。辺りはまだ、夜のように暗い。

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狂おしいほど愛おしい HOME パンドラの箱 第十話「ベラとアクア」

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