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Flour Party

創作小説を載せています

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    ボクは高いところから屋敷を見下ろした。やっと居所を見つけたのに、すでに時遅し。崩れた屋敷にゆっくりと降りた。あちこちに死体が転がっている。しかし、その中に探している人はいなかった。うまく逃げたか、あるいは連れていかれたか。とりあえず、ボクは足元の死体を担ぎ上げた。
「これでいいかな? 巻き込まれて死んじゃうなんて、不運だったねキミたち。ただの人間が魔族に出会ったら、まず生きてはいられないからね」
    屋敷の裏庭に即席の墓を作って、静かに手を合わせた。見ず知らずの人たちだが、ボクたちの争いの巻き添えを食ったかわいそうな人たちだから、せめてもの供養だ。人にはやさしくするべきだと、亡くなったお母様がよく言っていた。それで何が報われる訳でもないだろうにと、小さくため息をつく。手の土を払ってフードをかぶりなおした。
「さてと・・・どうしたものかな」
   とりあえず、生きて逃げたことに賭けて、街の方にでも探しに行くことにした。
秋の夜風が吹く中、ボクはぶらぶらと街中を回った。日が暮れてもうだいぶ経っているから、大通りにも人気がない。明かりがついているのは飲み屋程度だった。ガラの悪そうな男たちが下品な笑い声を上げている。そんなところに、今朝会ったあの臆病そうな彼が入れる訳もないだろう。連れていかれたか、と諦めかけたとき、街の外れで動く人影があった。急いで飛んで行く。
「なんだ、生きてたか。運のいいやつ」
    探していたアルは、あの屋敷に続く階段の前で息を整えていた。後ろからゆっくりと近づく。肩に手をかけると、その肩が大きく跳ねた。ひぃ! と小さな悲鳴が聞こえる。そしてゆっくりと振り返った。

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パンドラの箱 第五話「神族」 HOME パンドラの箱 第三話「闇夜の訪問者」

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